スカイ・クロラを観てきた

明日、死ぬかも知れないのに、「大人」になる必要があるのか。アダルトチルドレン(敢えて誤用)。ループする世界、薄れ混濁する感情。

押井守氏はテレビに露出してまで「若者に観てほしい」と訴えたようだが、若者への救いは「いつも同じ道を歩いていても、景色は同じじゃない」だけなのだろうか。ボクらはもう、草薙氏ほど強くない。世界の敵、絶対的な抑止力、黒豹の「ティーチャー」どころか、些細な雑事にさえ耐えられそうにない。ループする世界を、薄れ混濁する感情を受け入れて生きて行くことができない。

だから、この映画は、若者が観ても仕方がないのだ。押井守氏が、そして森博嗣氏が気づいた、わかってくれた現状を、平和ボケした「大人」たちにも知らせなくてはいけない。主人公に、「キミは、何かを変えられるまで生きろ!」と、力強く言わせることができたのだから。観ても、多くの「大人」たちが何も感じないのだろうけれど……。ボクらに、「何かを変えられる」までの猶予を、ください。